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はじめに

• FDAは抗体医薬品の免疫原性試験に関するガイドラインを発表している。2019年の最終ガイダンスでは、治療用蛋白製品の免疫原性試験に関するアッセイの開発と検証について取り上げられている。

• 免疫原性とは、医薬品が体内で抗体産生などの免疫応答を誘導する性質を指す。これは医薬品の有効性や安全性に影響を及ぼす可能性がある。

• 免疫原性の評価は、ADA（抗薬物抗体）に関する検証方法を含み、FDAは複数のアッセイを開発し、ADC（抗体薬物コンジュゲート）の構成部分などに対する免疫応答を測定する必要があると指摘している。

• 特に抗体医薬品においては、ADA分析が重要であり、その分析例として中和抗体（NAb）の評価も含まれている。

• FDAのガイダンスは、各種製品における免疫原性のリスクを評価するための多段階のアプローチを推奨している。

FDAガイダンスの概要 [1]

• 2019年にFDAによって発表されたガイダンスは、治療用蛋白製品の免疫原性検査に関する基準を提供している。

• 免疫原性評価のために、多段階の検査が推奨され、特にADCやペイロードに対する抗体の評価が必要とされる。

• 複数のアッセイを開発し、構成部分への免疫応答を測定することの重要性を強調している。

• ADA（抗薬物抗体）に対する評価を伴う確認アッセイの実施が求められている。

免疫原性とは [1]

• 免疫原性とは、医薬品が抗体の産生や細胞性免疫を誘導する性質のこと。

• バイオ医薬品が抗原として作用し、ADAの産生を誘導する場合がある。

• FDAによると、免疫原性は製品の有効性と安全性に影響を及ぼす可能性がある。

• 国立医薬品食品衛生研究所によると、抗体の産生誘導率は製品によって0-25%と異なる。

ADA分析の重要性 [1]

• 抗薬物抗体（ADA）は、医薬品を体内に投与した際に異物として認識され誘発される。

• ADAは医薬品の免疫原性を評価するための重要な指標である。

• 免疫原性の評価手順として、スクリーニング、確認、力価およびアイソタイピングのアッセイが必要。

• ADAが産生された場合、薬理活性の中和を引き起こす可能性がある。

• FDAはADA分析における技術的課題に関する議論を行っている。

中和抗体評価 [1]

• 中和抗体（NAb）はADAの一種であるが、薬理活性を中和する可能性がある。

• 中和抗体評価には細胞を用いたアッセイが用いられ、薬理効果への影響を評価する。

• FDAのガイダンスでは中和抗体の評価も含まれるが、全てのADAに対する中和抗体が評価されるわけではない。

• NAbとTAbの評価では、一致しない判定もあるため、両者を評価する必要があることが示唆されている。

• 中和抗体の評価は臨床試験においてフェーズ2以降で実施されることが一般的である。

多段階の免疫原性評価 [1]

• 免疫原性評価は、初期スクリーニングに始まり確認アッセイ、力価評価までの多段階の手順を含む。

• 確認アッセイでは、薬物に対して特異性を持つ抗体の有無を確認する。

• 力価アッセイにより、抗体の濃度を測定することが可能である。

• 中和抗体アッセイによって、産生された抗体の中和能力を評価することが求められる。

• FDAは免疫原性評価の手順の標準化を推奨している。

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